2012年3月に行った、furaniオーケストラララ♪ライブの、準備から当日までの流れをまとめました。
自分のためのまとめでもありますが、少しでもこれからはじめてホールでライブをしたい人のためになればと思います。

2011/8月(7ヶ月前)

構想を固める

ぼんやりと、ミニオーケストラ編成でライブをしたいという構想があったので、 バイオリンのエミューちゃんと、ユーフォニウム奏者のうっちーをお呼び立てして、ミーティング。
あらかじめ会場を色々と調べて行って、候補をいくつかにしぼったり、色々とアイディアをいただく。
何しろ、ライブハウスでのライブしか企画したことがなく、ホールの借り方もわからなかった。
出演するメンバーは10〜15人、お客様は、ワンマンでも80人くらいが限界なので、倍の150人は呼べるように頑張りたいと考えた。
日程は、2012年の4月の、土日祝のどれかにやろうと計画する。

2011/9月(6ヶ月前)

会場を予約

座・高円寺2は施設の見学会を月1でやっているので、見学しに行く。「こんなところでできたらなぁ」と妄想は広がる。
ちなみにこの時点では、ほかにもいくつか、会場の候補はあった。

そして抽選日。
ホールの貸し出しは、ひと月ごと。
4月の抽選に申し込もうと思ったら、すでにものすごい倍率だった。
しかし、ひと月まえの3月ぶんの、すでに抽選期間が終了して「早い者勝ち」になっている日の中で、なんとか空きを発見。
怖くなって気が変わらないうちに、施設使用料を払いに行って、正式に予約が完了。
…というわけで高円寺の「座・高円寺2」に決定する。
大げさかもしれないけど、これは自分の音楽人生をかけた闘いだった。
スタッフもいない、事務所にも入っていない私が、どこまでできるか、やってやるんだと心は燃えているのに、やっぱり、初めてのことばかりだし、すごく怖かった。

2011/10月(5ヶ月前)

ワンマンライブとアルバムのレコーディングに専念

11月に、毎年恒例のワンマンライブと、アルバムのリリースをすることを決めていたので、そちらに専念。
…というより、ほかの仕事が忙しくて、そっちもわりとおろそかだった;;

2011/11月(4ヶ月前)

発表、告知、チケット制作

ワンマンにて「重大発表」として告知。
ここから告知のため、ライブの本数を増やした。5ヶ月で、のべ22本furani名義のライブをした。
もっと増やせたかもしれないけれど、オーケストラアレンジするのにも時間が必要だったし、結構これでも精一杯だった。
あと、サポートメンバーとして参加したライブでもチラシを配ったり、告知をさせていただいた。こちらは5本ほど。ほんとうにありがとうございました。)

簡易的に白黒のコピーのフライヤーを作成、コピーして配布しはじめる。 (本当はカラーのものをすぐ作りたかったけど、時間が無かった…泣)

とにかく一番最初に、チケットが必要だろうと思った。チケットをデザインして、印刷所に発注。発注に合わせてタイトルも決めた。
シングルチケット(青)は2800円、ペアチケット(赤、2枚セット)は5000円。計算上、これがギリギリの安さだった。
あいた時間に、すこしずつスタンプでナンバリングもしていった。しかし、つるつるのコート紙のため、スタンプが超難関だった。乾きにくいし、失敗するし。これ絶対手書きの方が楽だろうと何度も持ったけど、悔しいからスタンプで毎晩すこしずつ押していった。
それにサイズも少し大きいし、紙も少し厚かったため折れやすかった。サイズはたまたま無印良品のペンケースがジャストフィットした。
半券が残れば集客の数がわかりやすいので、切り取り線のあるチケットにした。次作るときは、もっと小さめでマット紙のチケットにしよう…。
この時点では、子供の値段を決めていなかったけど、ひざの上に抱っこする小さい子は無料、座席が必要な場合、小学生以下は500円、とあとで決めた。このへんもきっちり決めておくべきだった。

2011/12月(3ヶ月前)

チケット販売、メンバー探し

告知から1ヶ月後、12月のライブからライブ会場でチケットを販売しはじめる。物販用のポップも作る。スチレンボードも世界堂で買ってきた。ライブのたびに、MCで、しつこく「来てください!」とお願いをした。

そして日々、メンバー探し
ギャランティ、リハーサル日程、拘束時間が具体的にわからないと声をかけにくいため、先にリハーサルの日程と場所を決める必要があった。
売れっ子なメンバーが集まってきていたので、すでに出演が決定しているメンバーの中で空き日程を出したら、1日しかみんなの予定が合う日がなかったので、日程に関しては悩む予知がなかった。
リハーサル場所も、団体なら借りやすいけど、個人では借りにくいとかもあって、個人ってこんなに動きにくいのかと悔しくなったりした。

舞台監督、照明、音響を依頼。
ライブハウスと違って、照明・音響のスタッフも自分で探してこなければならない。
とりあえずはアテもなかったので、照明はつけっぱなしでやろうか、音響は自分で簡易PAスピーカーでも買って持ち込んで手元でやろうかとも考えていたが、お世話になっているライブハウスの方に頼み込んだら、今回は特別に手がけてくださった。

私一人ではとても回せない規模なので、まとめてくれる舞台監督も絶対必要だった。こちらもやってくださる方がみつかった。
少しずつ、なんとかやれそうな気がしてきた。

2012/1月(2ヶ月前)

スタッフ依頼、サイト作成

お正月になってやっと仕事が一段落して、カラーのフライヤーを作成。印刷所に入稿。

特設サイト予約フォームもようやく設置。
これでやっと、ネットからの予約も受け付けられる。
こんな事務作業のためにかちゃかちゃとPCに向かう毎日。意外と、ひとつひとつの作業に半日とか1日は普通にかかってしまう。

フライヤーが到着したら、メンバーに郵送させていただいたり、お世話になっているライブハウスなどに折り込んでいただいた。 郵送でもいいよ、と言ってくださるライブハウスもあったけど、結局手渡しでお願いしに回った。
ミニオーケストラとはいえ、オーケストラ編成のアレンジを生で鳴らすのは今回が初めてなので、大学の図書館に通っていろいろ参考書を読んだり問題を解いたりしてある程度勉強し直した。

動画は、今はやっぱり動画の時代だろう!と思って、なんとしてもPRのために用意したかった。
12月のライブでやった曲をお正月のうちに練習してきておいていただいたので、演奏はせーのの一発録り。Youtubeにアップして、サイトに貼り付けた。

アレンジやレコーディングなんかはともかく、デザインしたり、サイト作ったり、動画編集したり、まるで何でも屋だな。

2012/2月(1か月前)

アレンジ・会場打ち合わせ

メンバーが確定したのは2/3だった。それまで、もしかしたらメンバーが集まらなかったら、アレンジを書き直さないといけないし…と考えたら、なかなかアレンジが進んでいなかった。
確定した編成は、弦チームは、1stバイオリン2人、2ndバイオリン2人、ビオラ2人、チェロ1人、コントラバス1人。
管は1管編成で、フルート1人、オーボエ1人、クラリネット1人、ホルン1人。そしてパーカッション1人
私がピアノボーカルで、全部で14人の編成。
メンバーが決まったら、やっと本格的にアレンジに入れた。
アレンジ、パート譜づくりは、finaleでやりました。
2日で1曲くらいのペースで急ピッチでアレンジした。これが一番きつかった。やりたかったことだけど、やっぱりきつかった。地獄を見ました。

私は小学生の頃からドラクエの音楽が大好きだった。
オーケストラのドラゴンクエストのCDを耳コピしつつ、今回の編成にあわせてアレンジした。もうヨダレが出るほど楽しい時間だった。
数年前の自分じゃ、オーケストラの耳コピなんて思いもよらないことだったけど、昨年、音楽検定の試験を受けたことが役に立ったと思う。


今回アレンジしたのは全部で15曲。
メンバーに送る資料は、資料は、パート譜と、歌詞、簡易的にfinaleで鳴らして歌を重ねたデモ音源を送りました。
資料第1弾は、弦の弓順までつけたり、楽譜をテープで貼ったりして送ってしまったけど、どうやら普通はそこまでしなくてもいいらしい。
音響、照明のスタッフさまにも資料を送る。

17時完全撤収なので、途中の10分休憩も含め、13:30スタート、15:45終演予定で、タイムテーブルを組んだ。

本番の約1ヶ月前に、会場打ち合わせをする。
舞台監督・音響・照明スタッフと、座・高円寺のスタッフさんとの打ち合わせ。 全体の流れ、使う機材、平台の高さに設置場所、椅子や譜面灯をいくつ借りるとかまで細かく打ち合わせていく。こりゃ人手が必要だぞということで、スタッフをやってくださる方を探す。 結局、ステージスタッフ4名、受付スタッフ4名、楽屋などのスタッフ2名を確保。何しろ知り合いはほぼミュージシャンなので、手伝ってくださった方もなんとほとんどミュージシャン(泣)ありがとうございます…。

2012/3月(1か月切って)

リハーサルなど

リハーサルは1回こっきり。 そのため、資料や進め方をきちんとしておく必要があった。でもみなさんきちんと準備してきてくださり、リハは順調に進んだ。
すてきな方が集まってくださって、本当によかった。
とっても安いギャラでやってくださっていて非常に申し訳ないので、せめてお弁当などはきちんと用意するように心がけた。

必死こいてやっていると、こんなふうに救いの手をのばしてくださる人も。→
写真撮影や、ビデオ撮影も、やってくださる方がみつかった。ほんとうにありがとうございます。



座・高円寺2は、消防法により立ち見厳禁で、絶対に定員以上は入れられない。
まさか定員の256人には届くわけないと思っていたので自由席にしていたが、なんと予約と前売りで240を超えてきてしまった。
こられるかわからない、と言う人もいたり、口頭で「何人かで行くよ〜」なんて人もいたので、把握しきれていなかったりで、こうなったら指定席にするべきだったと今更の後悔。結局、それでも増えてしまったので、250目前でSOLD OUTという形にした。予想外の、本当にうれしい悲鳴だった。
そこからも、「まだ予約できますか?」などのメールが一日何件もきて、対応に追われたりしていた。このへんの事務作業を一人でするのは、かなり大変な作業と痛感。
立ち見ができない会場なら指定席にするべきだったし、チケットはeプラスとか、ほかの形でまとめるべきだったかも。

数日前

最後の準備


楽屋割りや、予約リスト、入り口に設置するパネルなどを作る。

バックステージパスとスタッフパスを作る。セールの時にストラップ付きケースをまとめ買いしておいた。

提出する書類もいろいろある。

ふらにつうしんを作ってコピーして切って、アンケートもコピーして切って。ペグシル(使い捨て鉛筆みたいなやつ)も用意

プログラムを作る。キンコーズで色画用紙にコピーして、半分に折って…これはもうどうしても自分でやる時間がなくなって、知人にまるまるお願いしてしまった…。


いろいろ準備していたけど、自分のことの準備は全然できなかった。まさか衣装の購入も美容院も前日になるとは…。でも、数ヶ月髪ボサボサで走り続けてきたので仕方ない。
あと、直前にメンバーチェンジなんかもあったので、前日に資料の受け渡しなんかもやっていた。もう、生きた心地がしなかったけど、周りの人達にほんとうに助けられた。

メンバーやスタッフのお弁当や飲み物は、一番大切に考えるべきところなんだと教わったので、なるべくきちっとした。

あと、書き忘れたけど、足が不自由な人や、小さな赤ちゃんを連れている人は、出口に近い所に座っていただくため「優先席」、撮影用の「撮影席」など座席に貼り付けておく紙とか、楽屋などに貼り付けておくための大きめのタイムテーブルとか、とにかくなんだかんだ色々準備した。

当日


当日は、あまりに荷物が多かったので、を出してもらった;;
そして予想はしていたけど、やっぱり当日はずっとどこかしら走っていた。忙しかった。ただ、あまりに忙しかったので緊張する暇もなかった。
当日支払うギャランティ、会場の費用にお弁当代にピアノの調律代、そして前売りチケットやCDの物販のためのおつりなど、じゃらじゃらとずいぶん大金を持っていて、なんとなく心もとなかった。せめてお財布係を誰かに頼めば、ちょっとは安心できたのかな…?

口頭で、何人かで行けるかも〜と言っていた人が来てくれて、「予約がない」と受付でトラブルになってしまったり、「場所がわからないんだけど…」という電話が本番直前にかかってきたり、なんだかんだ事件も起こった。

終わってみて

チケット代をなんとかギリギリまで安くしたいというところと、ギャランティをもっと出したいというところのせめぎ合いで、自分はどんなに赤をかぶってもいいとはじめは思っていた。
でも本当は、あまりに赤字を出してしまうと、つらくなってしまって先が続かないものだと思う。
今回、終わってから計算してみたところ、なんとほぼトントンだった。
これは、きっとまたチャレンジする機会を与えてもらっているのだと思う。
そして今回安いギャランティで助けてくれた方々には、これからもずっと恩返しをしていかなければと思っている。
結果として、全部で50万円強のお金が動いた形だった。こんな規模だけど、ひとりでやるには、じゅうぶん恐怖だった…。
関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました。