2000 11/15
 今日はしっとりと失恋の物語でもしようかと思う、

中学時代好きだった人がいた。
クラスは一緒だったけど、私が一方的に憧れていた人であり、別に仲が良かったわけではない。
そもそも当時の私は、男の子と気兼ねなく話せるタイプでは到底なかったんだけど。

ある日、風邪をひいていた私は、授業中どうしても鼻ミズが垂れてきて仕方がなかった。
しかし、彼の席は隣の列の一番後ろ、私の斜め後ろの席であった。
憧れの彼の前で、(っていうか前というか背中向けてはいるんだけど、彼が黒板見てたら見えるし)
ハナミズを鮮やかな音をたててかむなんて事は、私にはどうしてもできなかった。
そこで、おそるおそる、ポケットからティッシュをとりだし、鼻にあてがい、そっと鼻から息を出し、出来る限り音をたてないように努力した。
しかし思ったよりゲル状のそれは量が多く、ねっとりと手の平まで流出して納豆のように糸を引いてしまった。
その瞬間斜め後ろから「きたねっ・・・」と飲み込むような独り言が聞こえたのだった。

かくして、私の恋は失恋に終わったのであった。


いや、終わっていなかった。
そんなイヤな思い出をも、私は高校生になったら強くなっちゃったので乗り越えてしまったのである。
そして性懲りもなくまだ彼のことが忘れられず、高校1年のバレンタインデーの時、チョコレートをあげようと決心した。
家が近所だったので、決死の覚悟で彼の家に電話した。初めお母さんが出て偉く緊張したのを覚えている。
彼は「じゃあ、うなぎ屋の前で待ち合わせしよう」と言ってきた。

しかし定刻になり、うなぎ屋の前で待てど暮らせど彼は来ない。
まさか、時間を間違えたか?と私は気が気でない。
その時、ふと不安がよぎり、あわてて一本向こうの角を確かめてみたら、なんとそこもうなぎ屋だったのである。

・・・しかし彼はいなかった。
もう怒って帰ってしまったのだろうか。
途方に暮れ、ふたつのうなぎ屋の間を行ったり来たりしていて30分もたっただろうか。

なんと彼が遠くから歩いて来たのである。
「**くん!」呼び止めたら、不機嫌そうにあれっ?という顔をした。
どうやら彼はもっと向こうの方にあるうなぎ屋で待っていたらしい。なんと私は告白する相手を30分も待たせてしまったのであった。

かくして、今度こそ私の恋は失恋に終わったのであった。

てゆーか、返事もらってません。
てゆーか、なんでうちの近所にはこんなにうなぎ屋がいくつもあるわけ?