2003 6/2(土)
 真夜中におフロに入った。
 ああいい湯だったとルンルンしつつパジャマを羽織り、電気をつけず真っ暗な廊下を歩いていたら、裸足の右足で、何かをムギュッと踏んづけた。
 何だろう?と電気をつけてみたら、ゴキブリが一匹ツブれていた。
 慌てず騒がず風呂場へ引き返し、足を洗って現場に戻ってみると、奴はまだ微妙にピクピクしているので、慌てず騒がずゴキブリ退治スプレーを持ってきて吹きかけておいた。
 私はとても無責任なのでそのまま寝てしまったので、朝、家族がどの位驚いたかは知らない。

 ゴキブリに遭遇した時の人間の対応というのは、何種類か考えられるが、大抵の人は「キャー!」とか「ゴキブリ!」とか叫んで理性を失う。スリッパとか新聞とか叩けるモノをつかんで振り回して叩きまくる。
 叫んで失神したり(?)その場から逃げ出したり隠れたりする人も居るかもしれない。
 しかし、逃げても隠れても意味はない。きゃつらは確実に、我々の言動を日々監視している。
 寝ている間に顔の上を通っている可能性もある。これはもう覚悟を決めるしかない。
 1匹ゴキブリが居たら100匹居ると思え。昔何かで読んだ。
 ゴキブリは人類が滅びても、滅びない位強いとも聞いたことがある。

 慣れっこになっている人は、冷静にスプレー等で対処する。
 私はこのタイプだが、周囲にスプレーが無くとっさに汗止めスプレーかなんかを吹きかけた事もある。
 流石に尋常な精神状態ではいられないようだ。
 我が家でゴキブリに出逢えるナンバー1スポットは、何といっても台所である。
 台所ならば食器洗い用洗剤をかけるのが一番効く。
 洗剤を浴びた直後はまだ元気に動き回っているのだが、次第に動きが衰えて動かなくなる。
 動かないゴキブリはもはや私の敵ではない。

 我が家ではゴキブリ退治にホウ酸ダンゴを採用している。
 ゴキブリはこれが大好物らしく、家具の裏などに潜ませておくと、食べて、死んでしまう。
 ただこれもなかなかエキサイティングで、家具を移動する時、ゴキブリの死骸が出てくるであろうことを覚悟しないといけない。
 先日も置いてあった書類を掃除していたら、間から木の葉のような物がカサッと出てきた。
 ゴキブリの死体を通り越したゴキブリのミイラであった。

 ゴキブリ退治にはコンバットがよく効くらしい。親友の本郷氏から聞いたので早速試してみようと思う。

 ところで、私はゴキブリホイホイを踏んづけたことがある。
 あれは忘れもしない5歳の時であった。友人の家で鬼ごっこか何かしていて、引き戸を開けたら、逆から開けたらしくそこは棚の裏面であり、そこに仕掛けてあったゴキブリホイホイを、私は裸足で踏んづけてしまったのだ。
 ネバネバしてなかなか取れなくて泣いた。友達のお父さんが洗ってくれた。
 ちょっとゴキブリになった気分がした。

 それにしてもこのグロテスクな「ゴキブリ」という固有名詞は何とかならないものか。