2004/3/15 (Sun)

うちの窓から見えるところに、小さな教会がある。
休日にはたまに集会をやっていて、その時はたくさん人が集まる。
終わったあとなどは、道やうちの前くらいまで、人があふれる。


さて…
これは、私が小学校低学年の頃の話である。


私は昔からなにか書いたり、描いたりすることが好きだった。
お絵かきさせておけばおとなしいような子供だった。
(お絵書きしてない時はへいにのぼったり屋根にのぼったりさんざんだった)

広告の裏で自由帳を作って絵を描いた。
真っ白なノートをもらえば、どっちから開いても表紙にして絵を描いた。
たまに、まんなかへんが使われないまま残った。
わら半紙にいっぱいマンガを描いた。
小1の時音符の書き方を習ったら、ぐりぐりおっきな音符でいっぱい楽譜を書いて、
いっぱい曲を作った。
四分休符がうまく書けなくて、高〜くうずまいたソフトクリームのようになっていた。
自分で勝手に今日はがんばりましたシールみたいなのを作って、
勉強を頑張った日、お手伝いをした日にはそれをちょきちょき切って、
自分で作った表に貼ったりもしていた。
しかし基本的に悪い子だったのでほとんど貼れないというジレンマに陥っていた。

えんぴつも色えんぴつも短〜〜くなるまで使った。



いつからか私は新聞のようなものを作るようになっていた。

内容は詳しくは忘れてしまったけど、何しろ小学校低学年なので、
「はるは、あたたかいのでおそとでたくさんあそびましょう」とか、
「みなさん、ぎゅうにゅうをのみましょう、ぎゅうにゅうはからだにいいです」
とかそんなもんだったと思う。
絵もふんだんに入れて、色エンピツを駆使してカラフルな新聞を作っていた。
新聞の名前は「ニコニコしんぶん」だかなんだかだったと思う。
忘れたけど。
こんな感じでいろいろなことを書いて、おばあちゃんに見せたりしていたのである。


たくさんの人にこの新聞を見てもらいたい…
そう思った小学校低学年の私は、ある日ふと思い付いた。
「壁新聞にして、お外にはればいいんだ!」
そう、しかも、近所の教会に人がたくさん来る時なら、たくさんの人にも読んでもらえるではないか。

…ということで、早速小学校低学年の私は作戦を決行した。
まず一生懸命新聞を書いた。
セロテープで、道ばたのフェンスにぺたっとはりつけた。
そしてダーッと走って家へ戻って、
「誰か見てくれるだろうか」とドキドキしながら過ごした。

しかし、暫くして外へ出てみたら、いつのまにか新聞はなくなっていた。

あれっ?おかしいなぁどうしたんだろう?
風で飛ばされちゃったのかな?
小学校低学年の私は非常に残念な気持ちになった。
これでは誰か見てもらったかどうだか解らないではないか。

しかし小学校低学年の私はまったく懲りなかった。
再三に渡り、同じように壁新聞書きを繰り返したのである。


そしてある時また私はひらめいた。
「自分の家の窓から見える所に貼れば、誰か見てくれているかが確認できる」ではないか。
…ということで、また私は作戦を決行した。
道ばたに新聞を張り付けて、窓から息をひそめて状況を確認した。

すると、何人かの人が新聞に気がつき、ちらちらと見ていた。
小学校低学年の私は、大変満足した。

しかし、教会の人が外に出てきた時、私の新聞に気がつき、
ふっと手をやったと思うと、べりっと破きとってしまったのである!

小学校低学年の私は愕然とした。

「せっかく書いたのに…」




しかし小学校低学年の私はまったく懲りなかった。
もういちど、内容を必死で思い出し、新聞を作ったのだ。

そしてまた、窓から息をひそめて見守った。

すると、うちの玄関からおばあちゃんが出てきて、玄関前の掃き掃除をはじめた。
そして、ふと私の新聞に気がついたと思うと、
慌ててそれをひっぺがして家の中に戻ってきた。

「こんなもの外に貼るのはやめなさい!!!」

…小学校低学年の私は怒られた。
しかし、何がいけなかったのか、何が悪かったのか、さっぱりわからなかった。
だが、一応私は懲りて、もう新聞を書いて貼り出すのはやめにした。



しかし、新聞を書くことはそのまま忘れられなかった。
小学校6年生の時「新聞係」になった。
よく放課後遅くまで残って、1人教室でせっせと模造紙に新聞を書いた。
なぜなら、新聞は廊下に貼り出すので、全校生徒が見る可能性があるのだ。
この私が張り切らないわけはなかった。

ドラクエが発売になる時は、おこづかいをはたいてゲーム雑誌を購入し、
切り抜いて一生懸命記事を作ったこともあった。
新聞係は3、4人いたが、女の子ばかりだったので、
こんな私に誰もついてくる筈はなかった……



今、私は、furaniライブの時「ふらにつうしん」という新聞を折り込んでもらっている。
基本的に自分の自己紹介やライブスケジュールさえ書けばいいのに、
いつも相当な根をつめ、マンガも必ず描いて、必死で製作しているのだ。

「こんな暇があるならもっと練習しろよ」と何度も自問自答するのであるが、
これは幼い頃からつちかった私の「新聞製作好き」(?)の性(サガと読む)のため、
いたしかたないのかもしれない……